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聖地巡礼

この間、兵庫に旅行に行ってきました。

 

生まれて初めての一人旅なのですが、なかなか楽しかったです。もっと学生時代に一人旅行っておけばよかったなと思いました。

 

六甲山や姫路城など、観光地も勿論いくつか回ったのですが、一人旅ならではというか友人や恋人とは行きづらいスポットにもいくつか足を運びました。それが「尼崎」と「甲陽園」です。

 

まず尼崎なのですが、これは日本を代表する漫才コンビ、ダウンタウンと、三人目のダウンタウンとも呼ばれる放送作家、高須光聖氏ゆかりの地ということで、いわゆる「聖地巡礼」のような感覚で行きました。

 

「放送室」という、かつて松本人志と高須光聖がパーソナリティを務めたラジオ番組を昨年の春頃からYouTubeで聞いているのですが、幼少期を共に過ごした尼崎という土地の話題は頻繁にされ、この原風景からダウンタウンのお笑いは形作られている、ということもお互いに口にしていたので、お笑い界の頂点にいる人間(最近はワイドナショーのせいでどえらい嫌われているのですが)を形作った聖地に足を踏み入れれば、僕の中の何かが変わるんじゃないかと思い、足を運びました(ワイドナショーで松っちゃんが発言するたび炎上してるの、ファンはかなり心苦しいです)。

 

 

 

 

 

自分の中で何かが変わるということは全くありませんでしたが、普通に楽しかったです。

 

 

写真は高須光聖氏の別名義「御影屋聖」の由来である高須氏のご家族が営む青果店、「御影屋」です。かつては店舗兼住宅の建物で経営されていたそうなのですが、現在はスーパーマーケットの一角のコーナーとして経営されています。

 

 

次に甲陽園ですが、これは日本を代表するアニメ、「涼宮ハルヒの憂鬱」の舞台になっている土地です。これもまた聖地巡礼ということになります。

 

個人的に「アニメの舞台が実在の土地」というシチュエーション自体に強く心を引かれるものがあり、大して思い入れのないアニメであっても、電車で行ける範囲であったりすればふらふらと足を運んで特にそのアニメで想いを馳せるわけでもなく、「ここが出ていたな」と半ば確認作業のように眺め、無表情でスマホカメラで写真を撮ることがあります。

 

「涼宮ハルヒ」というコンテンツ自体はアニメ作品としては過去のものであるのですが、リアルタイムでその作品に触れていなかった僕は、つい最近ネットフリックスでアニメシリーズ全話と劇場版作品をこれもまた確認作業のように観ました。

 

「せっかく兵庫に来たんだし涼宮ハルヒの地元にでも行くか」と思い、二泊三日の二日目の夕方ごろ、甲陽園駅に向かいました。

 

 

これが涼宮ハルヒの高校の最寄り駅である甲陽園駅外観です。

劇中に登場した甲陽園駅です。構図がどえらい違うので対比になりゃしませんが、本当にここだそうです。

 

 

少し歩くと、ヒロインの一人である、長門有希が住んでいるマンションも見えます。ちなみに、写真はありません。

 

 

 

 

 

 

更に言うと、甲陽園付近を散策し、撮影したのは駅前の写真のみです。

 

 

 

 

 

「聖地巡礼なのだからもっと写真を撮ればいいのに」と言うのは当然の指摘だと思うのですが、長門有希のマンション前に来たあたりで、果たして自分は「涼宮ハルヒ」と言うコンテンツに特別な思い入れがあるのか、と言う疑念が「聖地にやって来た」と言う興奮に勝ってしまったからです。

 

東京と言う日本の中心地を舞台にしたアニメ作品はやはり数多く作られており、そう行った作品の「聖地」はやはり東京に住んでいる自分はかなり気軽な気持ちで足を運ぶことが出来るのですが、わざわざ兵庫県まで航空機というなかなかに労力のかかる移動手段を使い訪れ、かつ、なかなか面白く観れたものの、ある意味「一大コンテンツである涼宮ハルヒを観た」という経験を得たいという動機でしか「涼宮ハルヒ」というコンテンツに触れなかった僕は、色々と釣り合わないような気持ちになったのです。

 

 

ざっくりいうと、「なんで飛行機まで乗ってハルヒの地元に行かなければならないんだ」という思いに囚われてしまったのです。自ら訪れたにも関わらず、です。

 

そこからは半ば行脚のような心持ちでハルヒの地元を歩きました。

ある意味、「聖地巡礼」を地で行っていたかもしれません。

 

 

 

画像では柔らかな春の日差しがさす夙川という川沿いの公園ですが、僕が訪れた時には寒風吹きすさぶ宵闇であり、街灯がほとんどないので公園の脇を走る数少ない乗用車のヘッドライトが光源でした。

 

勿論、写真はありません。意味を感じなかったからです。

 

グーグルマップを開き、宿の最寄り駅まで一本で行ける夙川駅という駅を目指し、キョンとみくるが秘密の会話をした公園を、無の境地で歩きました。

 

なぜか夙川駅を目指そうと思ったあたりから尿意が止まらなくなり、十分おきくらいの間隔で公衆トイレやコンビニなどで用を足しました。

 

夙川駅を目指すに当たって、「N’夙川BOYS」というバンドがいたことを思い出し、景気付けにスマホで聴いてみたのですが、冷めきったテンションに「N'夙川BOYS」のハイテンションなユーモアはよりこちらのテンションを底冷えさせるような効果をもたらし、すぐに聴くのをやめました。歌声はとってもカッコいいのですけどね。

 

 

今回の旅の反省としては、コンテンツにかける情熱と、聖地巡礼にかかる労力は正しいバランスを保たないと、楽しめないということでした。

 

きっと、ダウンタウンに対する情熱が今より少しでも低ければ、尼崎への訪問も「普通に楽しい」ものでは無かったでしょう。

 

しかし、「何かが変わるかも」と期待して訪れた尼崎より、軽い気持ちで訪れたハルヒの地元の方が、僕の中に何かを残したのも事実ではあります。少なくともブログ一本分は。

 

 

 

サンキューハルヒ、グッナイ、ハルヒ。