SUIKA RICE

みなさんは、「生まれた時からずっとそばにある音楽」というものがおありでしょうか。

 

ロックンロールだったら、ビートルズやローリングストーンズ、日本のポップスだとスマップ、安室奈美恵、アリプロジェクト等、世代を超えて愛される音楽や、その世代に寄り添った音楽、メジャーなもの、マイナーなものであったりと、人にとってそれは「生まれた時からずっとそばにあると感じる音楽」、「この音楽を聴いて育ってきた」と、感じ方も様々なように、千差万別なものなのでしょう。

 

そんな僕にとって、「生まれた時からずっとそばにある音楽」とは、四人組ロックバンド、「スイカライス」です。

 

みなさんはこのバンドの事を御存じでしょうか?

 

恐らく多くの方がご存じないと思うので、紹介をいたしますと、1978年、山梨県立甲府南高校(島唄でお馴染み宮沢和史などを輩出しています)の同窓生が学生時代に結成し、来年で結成40周年をむかえるいわゆるオヤジバンドです。

 

その音楽性は、トッド・ラングレン、ムーンライダーズ等の影響を公言しており、実際に3rdアルバム『復活』の中ではトッド・ラングレンのカバー曲である『I saw the light』が収録されています。

 

現在までに三つのアルバム、『不足』『限界』『復活』を発表しており、結成当初から現在までメンバーの入れ替えもなく、キャリアを重ねています。

 

僕は彼らの奏でる「8月の光」、「tourist」等のサマーチューンを聴きながら、齢を重ねていきました。ipodを手に入れてからは、夏に新宿御苑付近を歩きながら聴くことが、自分の中での恒例行事になっています。

 

一体スイカライスのどこが好きか、といわれると困ってしまいます。「生まれた時からずっとそばにある音楽」だから、としか答えようがありません。

 

というか、生まれた時から「音楽」がずっとそばにあるというより、「ドラム担当の人」が僕が生まれた時からずっとそばにいます。

 

ドラム担当の人は、毎日、僕が通う学校の学費を稼ぐために、僕が食べる米を買うお金を稼ぐために、働きに出ています。

 

ドラム担当の人は、今、僕がこの文章を書いている隣の部屋で、寝息を立てています。

 

ドラム担当の人は、夜遅くにネットフリックスを観てしまい、生活リズムが狂いっぱなしの僕なんかのために、朝早く起きて仕事に向かいます。

 

ドラム担当の人も、あと五年で還暦になります。

 

ドラム担当の人、長生きしてくださいね